修論の作業中にみつけた、ちょっと面白そうな本

フーコー

フーコー

「差異と反復」「ポスト構造主義」などのキーワードを通してたどり着いた本。特に興味深いのが「ダイアグラム」という概念に関する部分。建築の分野でなじみの深いこのダイアグラムという概念はもともとドゥルーズから来ているものらしい。この本によるとダイアグラムとは

既成の世界を再現するように機能することはなく、新しいタイプの現実、新しい心理のモデルを作り出す。単純な抽象モデルではない、可能態としての地図の層のようなもの


また、B.Berkel & C.Bos (= UNstudio) は「Diagrams-Interactive Instruments in Operation」においてドゥルーズについて語る。

建築にとってのダイヤグラムは、発話されない本質を運ぶものであり、独創やイデオロギーなどから切り離されている。そうした本質はランダム・侵入的・客観的であり、物理的・構成的・空間的・技術的といった類の線形理論構造を経由するものではない。抽象機械としてのダイヤグラムをこのように仮想組織体としてあらわしたジル・ドゥルーズの論述は、建築の領域を大いに刺激することになった


個人的にはこのダイアグラムの概念が、あらゆるものに先行して存在する(存在せざるをえない)形式という考え方に関係があるような気がしていて興味がある。テーマが拡散しすぎるので修論にからめるのは難しいとは思うのだけれど。ちなみに下の写真はUNstudioのメルセデスベンツ博物館。ダイアグラム建築。