僕が所属する学生団体DECo(Design on Environmental Concept)http://d.hatena.ne.jp/deco2005/のブログに文章を載せました。
以下コピペ。

22/12/05


アムステルダム着。
来年から研修生として働かせてもらうことになっているmoriko kira architectの現場見学会に参加させてもらうことに。



現場は、オランダ北部のフローニンゲンという町にある教会のリノベーションと、18の家族のための新築の住宅群。



計画の対象はプロテスタントの教会。簡素な装飾が施されていて自分の知っているカトリックのものとは大部趣が違う。
この教会にはもともとオフィスがくっついていて、今回のリノベーションではさらにオフィス機能を増やす計画とのこと。
教会をオフィスにコンバートするというプログラムは日本人の自分にとって、とても意外で興味深い。


プロテスタントの人にとって教会は重要なものではなく、しかも信者の数そのものが減少してきていている。
だから今回の例のように教会がオフィスにコンバートされている例はオランダでは珍しくない。
今は教会の機能がまだ残っているものの、ゆくゆくはすべてオフィスにする予定だとか。


教会の大きなホールを見上げると、オフィスと教会がひとつの大きな空間に集約されていてとても不思議な感じがする。
基本的に教会は日曜日にしか使われないしオフィスは日曜日には使われないのだから多分不都合は生じないと思うけれど、葬儀などが平日に行われれば儀式の最中に電話の音がなりひびく、なんてこともありえる。
いままで考えもしなかったタイプの建築でなかなか使われ方が想像できない。
日本にいてはまずおめにかかれないプロジェクト。
こういう日本ではできないようなことをオランダではやりたい。


15/05/06


今思い返してみるとリノベーション/コンバージョンについて初めて考えたのは三年前、学部三年生のとき。
それ以来、スタジオ課題や卒業設計でも同じようなことを考え続けて修士二年の今、まだコンバージョンについて考えている。


景気が上向いてきてリノベーションやコンバージョンが下火になってきた今、まだこのテーマを考え続ける意義はどこにあるのか?


この問いに対する僕の個人的な応えは「リノベーション/コンバージョン的なものの考え方を学びたい」ということ。
それは新築/改築にかかわらず通用するはず。要は、人とはちょっと違った思考回路を獲得したい。
(結局はミーハーでエゴまるだしの建築学生が考えそうなこと、といえなくもない)


コンバージョンを考えるときにもっとも危険なのは空間的な創造力/想像力が萎んでしまうということ。
その罠を注意深くよけながらすすめば、何か新しい空間ができる気がする。
誤解を恐れずに言えば、CO2の削減に寄与しなかったり省エネでないコンバージョンをしたとしてもいいのではないか、と最近思う。(DECo失格、かもしれないけど)
そういうものから切り離されたものとしてリノベーション/コンバージョンを考え始めている。
実際自分がやってきた設計はコンバージョンといえどもガンガン壊してガンガン建てていくものばかり。地球環境の維持に貢献しているとはお世辞にもいえない。
それでもリノベーション/コンバージョンというカテゴリの中でよいとおもえる設計をしてきた。
ちょっと深く考え始めるとドツボにはまってしまうテーマだけれど、今回もまた新しいコンバージョンをするつもりである。