旅の総括をします。19日間で5カ国13都市を旅してきました。


先に結論を言っておくと、この旅で外装材のマテリアル・「皮膜」としてのファサードに対する興味が強くなりました。
町並みの景観を構成する要素はたくさんあるけども、そのなかで建物のファサードのマテリアルが占めるウエイトはかなり大きい。


室内環境を快適に保ち、外部との関係性を生み出し、「町並み」を構成する要素になりうる「皮膜」に対して、もっと豊かな感覚を持つべきだと思いました。


たまたま今回の旅の日程がダルムシュタットのユーゲントシュティールにはじまりウィーンのユーゲントシュティールに終わるという計画だったので最初と最後にかれらの豊かな皮膜感覚に刺激されたということはありますが、
もともとアールヌーヴォー的な皮膜感覚をもつH&deMはもちろん、コルビュジェやミースやロースの作品も、マテリアルに対する感覚は豊かであったように思います。


いろいろな街や建築をみてまわりながら、日本の建物のファサードの材料・構法などと見比べたりしたら面白いかもなあなどと思ってみたりもしました。
そんなことを研究のテーマにできたらいいな、と最近思っています。


それでは、2/24日からはじめます。



2/24 ミュンヘンダルムシュタット→フランクフルト


朝、同居人Oと分かれてダルムシュタットへ。マチルダの丘で成婚記念塔はじめベーレンス自邸などの建築群をおとずれる。
成婚記念塔は中に入って見ればなんてことはない建物だが、ファサードはすばらしい。
近くにあるオルブリヒの数々の住宅群にも立面に対する異常なまでの執着をみて取る。


Sバーンでフランクフルト・アム。マインへ。
歩いていたらコメルツバンクが見えたので行ってみることに。
フランクフルトで一番高いビルでありながら、その圧倒的スケールの圧迫感が街路の歩行者に伝わらないような工夫がされている点は好感が持てる。
簡単にいうと、ヨーロッパの典型的なロの字型の街区の中庭部分にタワーが建っていて、それを囲むように周辺の町並みと同じスケールの低層部が作られている。
銀行なので残念ながらグラウンドフロアしか入ることはできない。


次はリチャード・マイヤーの工芸品博物館へ。わずかに角度を振って配置された通路が特徴である。
しかし角度を振ることによって生まれる効果はほとんどないと思った。
群馬県立美術館の増築部分のような効果的な「振り」は、ここでは感じられない。


夜、ホステルで19歳フリーターの妙に人懐こい日本人T君にであう。外国に出るのはこれが初めてらしい。いろいろ旅の基本的なことを教えたりしながら初日が終わる。



2/25 フランクフルト→モンペリエニーム


朝、T君と朝食をとりながら将来会議。とりあえず何をしたいか(what)を決めないとどうやればいいか(how)も考えられないよ、みたいな当たり前のことを言ってみたりした気がする(よく覚えていない)。


空港へ向かうために中央駅へ。駅の売店で普通にディテール誌が売られているのをみてびっくりする。


そのあと一気に南仏、モンペリエへ。
日が暮れかけていたのでリカルド・ボフィルの都市計画は無視していそいでニームへ。
ホステルへのバスがもうなくて愕然とするも、徒歩で余裕で到達できる範囲にあったのでほっとする。
途中、夜のメゾン・ド・カレとカレ・ダールを写真に収めつつ、ユースへ向かう。
部屋で、同室の台湾人の留学生にポン・デュ・ガールの行き方を聞いたり、卒計おわってすぐ卒業旅行に来ている日本人学生とちょっと話してから就寝。





今日はもう眠いのであしたまたアップします。