その後。

ひさしぶりの日記。
プレゼンが終わった後、とりあえず一息。
ではプレゼン後の講評について少し報告を。


朝10時から全体の発表会が始まったものの、自分の出番が回って来たのは午後2時ころ。
その間ずっと他人のプレゼンを聴く。


クリティークは二人。
一人はずっとこのスタジオを指導してきた建築家。
もう一人はルシアン・クロールの事務所の所員で、この大学の先生。
おもっていたよりも辛口の講評が多い。
まあ周りの学生のレベルが低すぎるというのもあるけど。


そして自分の番。
パワーポイントと模型でプレゼン。
事前にしゃべる内容を準備していたので、英語でも詰まることなく予定通りに終わる。
ちゃんとクリアに意図が伝わっていたのでよかった。


今回のプロジェクトではずっと、ヨーロッパでしかできないようなことをやろうと考えていた。
エスキスで受けたアドバイスを活かすことはもちろんしたけれど、基本的に自分がやりたいと思ったことを自由にやらせてもらった。
なのでどんなことをいわれるのか内心ドキドキ。
ここまで自分の力だけで設計を押し切ったことはいままでなかったので。


ところがふたを開けてみるとけっこう好評。
以下、もらった講評をあげます。


教官A(スタジオの指導教官)


・新しく生み出されるパブリックスペースのシークエンスがsurprisingで、よい
・パブリックな中庭へ到るスロープと プライベートな中庭へ到るスロープと 住戸へアクセスする道が
 スリットという同じ建築ヴォキャブラリーでできている点が良い
・その細長い空間がエレベーションやセクションだけでなくプランにも現れていて、なお良い
 (つまりあらゆる要素をひとつのシステムにインテグレイトできているのが良い、という意味だと解釈)
・君のプロジェクトは規模が小さいけれども、形で遊んでいるだけの大きい建物よりもずっとよい


確かに自分のプロジェクトは全留学生中でもっとも小さい規模の部類に入っていて、
この教官は大きい規模の建築を好む傾向があると思っていたので、最後の講評は意外だった。


教官B(ルシアン・クロールの事務所の所員)


・ひとつの敷地だけではなく、いろいろな敷地に適用できるようなシステムができていて、よい。
・ディテールやプランを詳細につめているのがよい


プランが詳細に考えられているというのは教官Aにも言われたけれど、住宅のプロジェクトなのにぜんぜんプランを描かないほかの学生がおかしい。
自分はふつうにプランを描いただけ。
ディテールもスケッチ程度。
ドイツでプランやディテールはさらにつめるつもりでいたので、この講評は意外というか不本意というか、ほめられているんだけど真に受けられない。
まわりの学生のレベルが低いだけだ。


そして最後にこの先生のほめ言葉「これはオペラのような建築だ!」がでる。
この教官はよく建築を音楽にたとえる。同居人の一人もエスキスでこれを言われていた。
でもこれで調子に乗ることはできない。



全体のレベルの低さと批判を全く受けなかったことに拍子抜けしたものの、とりあえずAUSMIPのメイン・イベント終了。


プレゼンのあと、三人でディナーを食べ、バーで飲み、盛り上がる。



さらにその後。
自分はアントワープにぶらり一人旅。
ゲントといいブルージュといい、やっぱりベルギーの地方都市は観光するにはいい。
古き良きヨーロッパをまたしても体感。
前回学校の授業の一環として来た時は昼から酒を飲んでほとんど街そのものはみていなかった。


どうしても欲しかった「フランダースの犬」のネロとパトラッシュの絵葉書をついに買う。
同居人が今年の初めに行って買ってきたのがものすごくおもしろくて、ぜひ買いたいと思っていた。
日本語がわからない人が日本語でポストカードつくるとこうなるのか・・・という感じの、すごく恥ずかしい絵葉書。
2枚しか買わなかったのでこの面白さを共有できるのは2人だけだけど・・・


その後、急遽近くの都市メッヘレンへ立ち寄ることをなんとなく気分で決める。
こないだコインランドリーで話しかけてきた黒人の女の子がメッヘレンにある教会をぜひ見るといいと言っていたのを思い出しつつ下車。
古い建物が自然に街の中に溶け込んでいる街というのはどこでも気持ちいいもの。


というかんじで、今家でブログ書いてます。
今持ち主が帰ってきたので今日はここらへんで終わり。