コンセプト・メイキング

昨日夜遅く寝たのにもかかわらず午前中に目が覚める


目覚めたら天窓に一面の青空。
気持ちのいい朝だ。
寝る直前に朝4時ころアテネへ出発する小野を見送ったのをぼんやりと思い出す。
(そのあとメールチェックや読書などで5時ごろまで起きていた。)


とりあえずシャワーを浴びて散歩に出る。
今日は土曜日でクリスマスのイベントも大盛り上がりだ。
いつもからは考えられないくらいの数の人が集まっていた。
屋台で売ってるホットワインとでかいホットドックを昼飯兼朝飯として食べる。
日が高い間に酒を飲む習慣にはそろそろ慣れてきた。
グランプラスに行ったりアイリッシュバーでサッカーをタダ観したり買い物したりして
家に帰ったらもう夕方。


夕方から夜にかけてコンペの打ち合わせ。
小野がいないので福原とふたりでやる。
だんだん方向性がみえてきて楽しくなってきた。
そろそろ大きいスケールの図面でのスタディに移ることになる。
今夜中にブロックプランを一案つくってしまいたい。


僕たちのアイディアは、古典的な求心性や軸線を持つ古い既存建築物に、いかにして現代的で均質なヒエラルキーのない建築を挿入するか、ということを、
できるだけ単純明快な図式で実現することを大きなテーマとしている。
(余条件としてバリアフリーを実現したり美術館以外の新しいプログラムに対応できるように建物を生まれ変わらせてやることが要求されている)
単純明快に、という点を実現することが最も苦労するところで、おおいに苦しむ。が、なんとかさまざまな余条件がシンプルな案にまとまってきた。


このアイディアでおもしろいところは、単体で存在すれば完全にヒエラルキーのない均質な図式が、既存の強い軸線と中心をもつ建物に埋め込まれたときに
完璧に均質な状態から引き剥がされて「弱いヒエラルキー」をもつ空間になるところにある、ということで合意する。
(均質なヒエラルキーのない空間に対する興味は、ドミニク・ペローの作品から影響を受けた結果。)


ヒエラルキーの全くない状態とヒエラルキーが強力に存在する状態の間のどこらへんを狙って設計するのかについての議論が白熱して楽しかった。
図式がシンプルなだけに形の選択が即空間のヒエラルキーのありかたに影響を与えてしまう。


次なる課題は、単純な図式をどこまで良いスケールをもつ良い空間にできるかということ。
単純な図式の案が良くなるかどうかはここにかかっているのだろう。