スカイ・クロラと崖の上のポニョ


最近、二つの映画を観ました。



監督:押井守 原作:森博嗣     


スカイ・クロラは、空が美しく描写されていることが重要な作品。
原作を読めばわかるように、空にいるときにこそ、キルドレは人間の造り出したあらゆるものから離れ、自分の本質に向き合うことができる。
そこで語られるどんな人間の物語よりも、その自分の本質に直に向き合うような感覚の方が僕にとっては興味深い。
そのような感覚を与えてくれることこそが、空(=自然)の重要な機能かもしれない。



監督:宮崎駿


崖の上のポニョは、とにかく海が力強く描写されていることが重要な作品。
なんだかよくわからないけれどインパクトのある海の描写に圧倒されっぱなしだった。
あるときはとても恐ろしく、あるときはとてもやさしい。
そういった「ああ、海って確かにこんなかんじだよね」と言わせるようなある種の説得力をもっているけれど、
スーパーリアルな表現は一切ない。そこがすごい。
そこで語られる人間の物語にはほとんど興味をもたなかったけれど、
スカイ・クロラとは違う方法で(海という)自然の他者性を感じさせてくれた。