箱男
1982
新潮社
安部 公房


誰がほんとうの箱男なのか?はたいして問題ではないと思う。


都市に匿名の人間として存在したいという欲望
見られることなく一方的に観察し続けたいという感覚


自分が生まれた年にもうこんな本が出ていたというのは驚き。けっこう理解できてしまう。


でもこれはもう昔の話。
匿名の人間としてだれかを見るということにとどまらず匿名の人間として何か情報を発信したがるという傾向が、
都市生活を送るイマドキの人にはあるように感じます。