死者の奢り・飼育
1959
新潮社
大江 健三郎


全体に通底する悲観的な雰囲気に胸を打たれる。
この小説が書かれた当時、筆者は若い青年であった。いったいどれほどの悲しい出来事が彼の身に起こったのだろうか。
「閉ざされた壁の中に生きる状態」を書いた、といわれてかなり納得。妙にねばっこい文体も悪くない。


ただし個人的には、もっと巨匠になってからの作品のほうが好きです。