また、ちょっと更新。

8月、夏休みがあけてから、老人用集合住宅のスタディを任されています。
敷地は、アイブルグという現在建設中の人工島の先端。この島は10月号のPENでも紹介されています。

この島の半分はまだ土が盛り上がっているだけの状態で、僕たちが設計する集合住宅の部分はまだ敷地も出来上っていないという状態です。
面白いのは全体のデザインコードやルールみたいなものが完全にフィックスされているのではなく、デヴェロッパー、アーバンデザイナー、運河を挟んで向かいの敷地の建築のデザインナーとの話し合いの中ですべてが決まっていくということ。
デザインの入り口は押さえてるけど出口は抑えていない感じ。出口を押さえる日本とはえらい違いです。
最初は住戸の数すら厳密には決められていなかった。


そのなかで僕のポジションはバイト以上所員未満といった感じで、都市計画家や他のデザイナーたちとのミーティングには参加していませんが主な案だしはやらせてもらっています。
最初は吉良さんの描かれたスケッチを渡されて簡単なコンセプトの説明を受けたあと、いくつか模型を作ってピックアップしてもらい、また模型を作るということを繰り返していました。
そのころ吉良さんから与えられたスタディのテーマは、分棟配置した住戸のボリュームを隣接する運河や隣の建物との間でどうやってバランスよく配置してゆくか、というものでした。
(吉良さんはこのテーマが僕の卒計のテーマに通じるものがあると看て取ったようで、このプロジェクトが僕にまわってきた理由はそこにあるようです。)
基本的に、プランはできるだけシンプルにつくってあとは住戸とパブリックスペースとの関係だけで豊かな内外空間の質を生み出したいというのがコンセプトです。
以下の写真はこのスタディの最後に作ったもので、都市計画家やデヴェロッパーたちは現段階のスタディとしては大いに満足してくれたようです。


次のステップとして現在は基本的なボリューム配置はそのままにしていかにプランをシンプルに作るか、というスタディをしています。