Our Short Trip to Berlin,the3rd day

朝はゆっくり起床。
ベルリンの中心からやや外れたところを重点的に見て回ることにする。


Baumshulenweg Crematirium/Axel Schultes & Charlotte Frank


郊外といっても電車にのって30分程度で到着。
首相官邸と同じ設計者らしい。
ヨーロッパ建築案内に載っていた写真をみて訪れようと思った建築。
日曜日だったので中には入れなかった。
でも一番の見せ場であるロビー空間はガラス越しに見ることができた。
柱の頂部にトップライトを設ける手法は面白いと思った。
浮いたように見える天井が不思議な空間を作り出している。
外をぐるっとみてまわって、次はヴェロドームへ。


Olympic Velodome & Swimming Halls/Sominique Perrault


実際訪れてみると、思っていたよりもずっとよい建築だと思った。
雑誌や作品集で紹介されている写真をみると丸い円盤だけがクローズアップされ、
周囲のコンテクストから浮いた異物のようにみえる。
でも、実際はそうではない。
この作品の面白いところは、通常周辺のコンテクストから浮いてしまうことの多いスタジアムやスポーツ施設を地下に埋めることによって
地上部分を公園として一般に開放し、やわらかく周辺環境とつなげようとしているところだと思う。
ランドスケープのなかにわずかに地下から顔を出す建築ヴォリュームもなかなか巧み。
スタジアムの正円とプールの長方形のヴォリュームの幾何学的な対比も面白い。
これくらいの規模の計画になると建築とランドスケープとを同時に考えることができて
それはそれで面白そうだなあなどと考えながら、次はAEGタービン工場へ。


AEG Turbin Factory/Peter Behrens


ついた瞬間に、あの有名なファサードと今自分の目の前にある建物が少し違うのではないかという気がした。
今から見てみるとなんてことはない工場のように感じる。
これができた当時の人々の驚きみたいなものは今の僕たちにはわかりようがないねなどと小野・福原と話す。
でもとにかく例のファサードは確かに鉄骨で加重が支えられているのに、見た目は石造りの神殿を模していて、少し変だなと実感することはできた。
この工場のように直喩的に古典の美を引用するよりも、ナショナルギャラリーのようにひそかにクラシカルなたたずまいを見せる建築のほうが好きだなと思いつつ、次の目的地カイザー・ヴィルヘルム教会へ。


Kaiser-Wilhelm-Gedachtnis-Kirche


ツォー駅を出てすぐのところにある廃墟の教会。
戦争のむごさを忘れないために廃墟のままのこされているモニュメント。
いわばベルリンの原爆ドームといった感じ。
すぐ隣に新しく建てられたタワーがいまいちで残念。
こういうタワーこそハイテックの建築家にまかせたらいいのに。
きっと歴史的コンテクストを読みこみながら最先端技術でもってガラスタワーをたてたに違いない。
うまくやれればライヒスタークに次ぐベルリンの顔となりえるくらいのポテンシャルがあった気がする。
自分ならどうやるかなあとぼんやり考えつつ、駅周辺の町並みをぶらぶらしてからユースホステルへ帰る。