最近興味があること #4 結び目の幾何学



一本の糸について考えてみる。もし両端がぴったりと接着されていたとしたら、糸は閉じたリングになる。さらに、もしこの糸が自分自身をまたいだりくぐったりを交互に繰り返して(しかも決して交差することなく)できている場合、これはトポロジカルに「結び目」と呼ばれる閉曲線になる。このトポロジーは「結び目理論」として数学的に研究されている分野である。


無数の「素な結び目」(=それ以上分解することのできない結び目)の中から、そのつど与条件に当てはめて、うまく機能する結び目を選び出す。
それを当てはめることで特有の効果が得られる場合にのみ、このような幾何学を採用することが建築的なテーマになりえることには常に注意が必要。


幾何学としては閉じているが、そこにあらわれる空間は外部に対して開かれている。
完結した自律性と空間的な開放性を同時に成立させるものとして、結び目の幾何学は有効に利用することができる。