最近興味があること #3 庭

最近興味があること #3 庭

庭をつくるということは、近くを遮り、遠くを獲得する屋外空間をつくることだと言えるかもしれない。近景は塀によってトリムされ地となり、遠景が図として浮かび上がってくることで、庭の観察者は目の前の庭と、遠くの山や月、宇宙との関係に思いを馳せるという内省的な時間を過ごすことができる。


現代における庭は、もうすこし開放的で立体的なものでいいはずである。武家屋敷への庶民のあこがれが形骸化した果てにあるのが現状の塀という存在なのだろう。小さな敷地を最大限めいっぱい切り取るように塀を建ててしまやり方は、各々が自分のことしか考えていないために集合体としてみると空間の利用効率が悪い、と言える。


視覚的な共有というレベルでかまわない。私による公の空間の切り取りを最大化するのではないやりかたに基づいた庭のつくりかたを考えられないだろうか。