連日レクチャー。

伊東豊雄さんと内藤廣さんの講演会に連日参加。
それぞれ自分の作品を紹介していました。


伊東さんはレストランノマドから始まりせんだいメディアテークを経て最新の台湾の作品までを一気に紹介。
いまさら言うのも変だけどやっぱり伊東さんの作品はどれも質が非常に高い。


「せんだい」以前は社会に対してかなり責任を持って建築を作っていたような気がする。
(それは今は責任を持って建築作ってないと言っているわけではなくて。)


「せんだい」以降の作品は言葉で説明しきれない部分がかなり増えてきているなあと思う。
そして「せんだい」以降は、巨匠の道を歩き始めている感がある。
安藤忠雄やザハ、ゲーリーみたいに。
巨匠になればなるだけ社会に対して説明できる部分が少なくなって行っているのかもしれません。


非線型有機的なシステムに対する興味はどこかガウディを思わせます。
ガウディは「せんだい」以前の伊藤さんからはかなり遠い存在のはずだったのに。


ただ、ベルギーではだめだったけど台湾に建つことになってるあの建築は僕としては非常に楽しみです。模型写真を始めて見た時衝撃を受けた記憶がある。手すりの作り方がそうとう難しそうだけど。ぜひできてみてほしい。


内藤先生は、なんだかすごく真面目に建築やっているなあという感じで好感が持てます。
「木は完全にコントロールすることはできないし、応力の様子を完全に解析することもできない、むずかしい素材だ」
と言いながらも、それと格闘することが楽しくてしょうがないという口ぶり。
構造のエンジニアや大工職人たちと一緒に建築をつくっているという意識が言葉の端々に感じられて、ああ、これが建築家のあるべき姿かもな、と思います。


この二つのレクチャーで伊東さんも内藤さんも偶然同じことを口にしました。
伊東さんは「新しいテクノロジーに頼れば頼るほど、建築のよさは職人の能力により依存せざるを得なくなるというパラドックスが起こっています」と言い、
内藤さんは「熟練した職人達の技術と最新のテクノロジーとの調和を図るのが建築家の役目なのです」と言っていた。
最新のテクノロジーだけではなく職人の技術にも目を向けなければいけない、と。
内藤さんは職人の技術が失われて行くのを嘆いていた。技術が失われて行っていると言う事実をほとんどの人が把握していないという事態こそ問題なのかもしれない。



そして夜はマンモス設計集団と決起集会。
こみやま、ありがとう。そして、がんばろう!!