偶有性という言葉


今日は偶有性という便利なことばを学習した。
広辞苑にも当然載っている。しかしはてなキーワードの解説が一番完結でわかりやすい。




偶有性
他の状態でもありえるのに、たまたまその状態でもある、という属性。




これを知って思い起こしたことが3つ



ひとつ
東日本大震災

あの日の、あの光景を前に感じたことはいくつもあるはずだけど、理屈ではなく感覚として身体に刻みつけられたあの気持ち



ふたつ
設計をしていて苦しむ瞬間。
無限にはるはずの可能性からたったひとつを選ばなくてはいけないことに対する不安。
ありえるかもしれないより良い案に対する焦り。
目の前の案しか見えなくなる自分の盲目に対する恐怖。
それでもこれしかないと思えることに対する満足。(あるいは思い込み)




みっつ
時間。いくつも分岐していく可能性の中から否応なく選ぶことになる1本の道筋。
過去の人間の思い描いた未来は、現在を生きる者にとっては違う分岐の先にある未来。なのでリアリティが全くないということ。
大阪万博の写真を見たり、ザハ・ハディドのフューチャリスティックな造形を見たときに感じるウソくささ。
メタボリストの思い描いた未来は我々の未来とは違う。未来派ロシア・アヴァンギャルドの描いた未来を模した造形は今現在のものではない。



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