第一子 誕生

第一子誕生

2011年5月3日午後4時41分、僕たち夫婦の間に第一子が誕生しました。

2980g、男の子、名を「英火 えいか」と名付けました。


「英」を、妻の家系で代々男性に受け継がれている文字からとり、(英一、英明、英樹)
「火」を、両親から貰った僕自身の名前「桂火」からとりました



名付けてみてふと、かつて父のしてくれた昔話を思い出しました。
ちょうど僕と同じ年齢の頃、海外を何年間も放浪していた父が、最終的に日本に帰国して定職をもつきっかけになった話。

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父は(おそらくヒッピーだったと想像するが本人がこの言葉を口にしたことは一回もないし、これからもないだろう)
生きることになかば絶望し、いつ死んでもいいという覚悟で日本を飛び出して海路で沖縄から台湾に渡り、飛行機を使わずに放浪の旅を始めた。
数年間にもおよぶ放浪の末、ついにアフリカのナイル川源流付近のある村に流れ着く。
そこでは、もはや人間の生活とは到底思えないほどの水準で生活している人々がいた。
父はその村の一人に問う
「いったい何のために、こんなひどい苦しい生活をしてまで生きようと思うのか」
問われた人(たしかちいさい子を抱えた若い黒人の女性だったはずだ)は答えた。


「Next Generation」

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次の世代のために生きるという当たり前で、シンプルで、力強い言葉に啓発された父は
死に場所を探す旅をやめる決意をし、ナイル川を下りエジプトに入り、飛行機で日本に帰ってきたのだと言う。


その後日本でうまれた彼の「Next Generation」は、ほかならぬ僕だ。


上の世代から受け継ぎ、継承したものを次の世代へ渡す。
そういった大きな流れの中で生を受けていることをいつか理解し、それを次の世代へつなげてくれることを願い、
僕の名前と、妻の家系から一字づつとって我が子に与えました。
「英火」という単語そのものの持つ意味はほとんどありませんが、
そういった願いがこの名には込められています。